惑星には、良い働きをすると言う意味での吉星、悪い働きをすると言う意味での凶星という分類があります。これを惑星の吉凶と言いますが、惑星の吉凶には、生来的吉凶と機能的吉凶という2つの分類があります。
インド占星術では、木星と金星は強い生来的吉星、水星と月は弱い生来的吉星に分類します。また、火星と土星は強い生来的凶星、太陽は弱い生来的凶星に分類します。また、太陽の軌道と月の軌道の交点を表すラーフとケートゥは、インド占星術では、凶星として分類されます。
インド占星術では、太陽とラーフは凶星として扱いますが、西洋占星術では太陽とラーフを吉星として扱います。
太陽は社会的な私を表したり、エゴを表わす惑星ですが、西洋占星術では、自分のエゴを使って何かをなしていくことが、良いことだ考えるので吉星とされるのですが、インド占星術では、最終的にはエゴはなくしていく方が良いものだと考えるので凶星として分類するのです。
同じようにラーフも、飽くなき現世的な欲望を表す惑星ですが、そういう欲望を満たして成功するのが良いと言う文化では、ラーフは吉星扱いされますけれども、インドの文化では、そういうものは抑えていった方が良いものだと考えるので凶星として扱います。
またスピリチュアルな観点から言えば、惑星の吉凶というものは違った形で見えてきます。凶星は人生において、困難をもたらしますが、その困難を乗り越える課程で色々な経験をし、気づきを得ることによって人間は成長していきます。困難を乗り越えることなしに、精神性の成長はありません。土星は努力と忍耐を養いますし、火星はチャレンジ精神と集中力を養います。
一方、吉星である木星や金星を間違った使い方をすると、怠惰な傾向が出てきたり、世俗的な快楽を優先しすぎる傾向になることもあります。精神性を高めるためには、木星や金星が良い状態にある人は、その幸運に感謝して、自分から試練に向かっていく姿勢が必要になってきます。
精神性を重視した観点で、ホロスコープを読んでいくときには、惑星の吉凶にとらわれず、それがどのような気づきを促すのか、どのような意味があってその試練や困難が起こっているのかと言う視点で見ることも必要になってきます。精神性の修行が進んだ人にとっては、凶星が凶星ではなくなると言うことが起こってくるのです。
このように人間理解が深まっていく中で、インド占星術を通して、精神的な成長が促されていきます。それが、インド占星術が、解脱・覚りへ向かう修行の補助学問だと言われる理由の一つです。
町田のインド占星術研究家 プララ
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