ケートゥ


ラーフとケートゥは、月の軌道と太陽の軌道の交点で、西洋占星術ではラーフをドラゴン・ヘッド、ケートゥはドラゴン・テイルと呼ばれているものです。交点ですので、実際に物質的な惑星があるわけではありません(虚星)が、無視できない作用をするので、インド占星術では、太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星という7惑星に追加して、ラーフ・ケートゥを惑星と同様に用いています。7+2=9で9惑星(ナヴァ・グラハ)を使っていきます。

ラーフとケートゥは物質的な実体を伴わない(虚星)感受点とも呼ばれるものなので、在住する星座やコンビネーションを形成する惑星の性質をストレートに受けると言う特徴を持っています。インド占星術では凶星として分類されますが、良いハウスに在住したり、吉星(特に、水星や木星)の星座に在住したり、吉星の影響を強く受けたりすると機能的には吉星として働くこともあります。

ラーフもケートゥも、非伝統的な性質を与える惑星と考えられていますが、それは、ラーフとケートゥが他の惑星とは逆の方向に回っている惑星だからかもしれません。ケートゥは、ラーフとは逆に、内側に向かう性質の惑星です。禁欲の惑星で、煩悩を消していく方向性を持っていますので、解脱という意味も持ちます。解脱に向かう人に見られる深い識別力や思考力、そのために行う断食・沈黙の行などもその意味に含まれます。言葉の本質を意味するので文法という意味も持ちますし、コンピューターにおける文法を扱える人ということで、プログラマーはケートゥ的な仕事の一つです。医療従事者(特に、代替医療系)と言う意味も持ち、高度な専門性の仕事を表す10室にケートゥがある人は、医療関係の仕事をしている人が多いようです。