火星期


一般的に、火星期は、月期に内側に入っていたのが、外側に出てくる時期となります。火星期は特定の目的に集中して、自分で具体的に活動をする時期になりやすいです。

火星がどのハウスを支配するかによって違いは出ますが、火星期は火星マハー・ダシャーから見て8室に火星が8番目のアスペクトをするので、火星期であることだけで8室のテーマが強調されることになります。

火星期は、月期に絞り込んだテーマの中で、目的を決めてそれに向かって社会的に行動し、突き進む時期になります。

火星は目的以外を見ない惑星なので視野は狭いけれども、視野が狭い分だけ1点に集中するので、仕事でも、自分の専門性を高めることに邁進する力が強くなるので、突進力は増すことになります。その反面、自分が邁進しているテーマ以外のことには、意識が向かいにくいということになります。

金星期


金星期は、金星、ヴィーナスという芸術や美を表す惑星の時期なので、音楽や踊りを楽しんだり、恋愛をしたり、現世的な楽しみが増える時期です。ヴィムショタリ・ダシャーでは、ケートゥ期という内側に向かう禁欲傾向のダシャーの後に訪れますので、一気に楽しく過ごせる時期になったりすることもあります。

現世的には楽しくて良い時期なのですが、精神性・霊性に縁のあるホロスコープの人でも、10代後半や20代前半に金星期に入ったりすると、現世的な楽しみが多すぎて金星期が終わるまで霊的な世界に縁ができないで過ごしてしまうことも多いようです。精神性を重視する観点からすると、内面に深く向かうケートゥ期で培った霊的な世界について、人に話をしたり指導したりすることができるようになるのが理想だとされる時期です。

 

ケートゥ


ラーフとケートゥは、月の軌道と太陽の軌道の交点で、西洋占星術ではラーフをドラゴン・ヘッド、ケートゥはドラゴン・テイルと呼ばれているものです。交点ですので、実際に物質的な惑星があるわけではありません(虚星)が、無視できない作用をするので、インド占星術では、太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星という7惑星に追加して、ラーフ・ケートゥを惑星と同様に用いています。7+2=9で9惑星(ナヴァ・グラハ)を使っていきます。

ラーフとケートゥは物質的な実体を伴わない(虚星)感受点とも呼ばれるものなので、在住する星座やコンビネーションを形成する惑星の性質をストレートに受けると言う特徴を持っています。インド占星術では凶星として分類されますが、良いハウスに在住したり、吉星(特に、水星や木星)の星座に在住したり、吉星の影響を強く受けたりすると機能的には吉星として働くこともあります。

ラーフもケートゥも、非伝統的な性質を与える惑星と考えられていますが、それは、ラーフとケートゥが他の惑星とは逆の方向に回っている惑星だからかもしれません。ラーフは飽くなき現世的な欲望を表す惑星であるのに対して、ケートゥは、ラーフとは逆に、内側に向かう性質の惑星です。禁欲の惑星で、煩悩を消していく方向性を持っていますので、解脱という意味も持ちます。解脱に向かう人に見られる深い識別力や思考力、そのために行う断食・沈黙の行などもその意味に含まれます。

言葉の本質を意味するので文法という意味も持ちますし、コンピューターにおける文法を扱える人ということで、プログラマーはケートゥ的な仕事の一つです。医療従事者(特に、代替医療系)と言う意味も持ち、高度な専門性の仕事を表す10室にケートゥがある人は、医療関係の仕事をしている人が多いようです。