在住と惑星の品位


在住というのは、惑星がその星座やハウスにあると言うことです。

それぞれの惑星は、星座によって強さ、居心地の良さが決まっています。

惑星は、高揚の星座にいるときが最も強く、その次にムーラトリコーナで、次に定座が強く、友好星座、中立星座、敵対星座の順に弱くなっていき、減衰の星座にいるときに最も弱くなります。

それぞれの惑星の減衰の星座は、高揚する星座から7番目の星座(180度反対側)になります。高揚・減衰、そしてムーラトリコーナは、その度数までを考慮します。高揚の度数に近ければ近いほど強くなりますが、高揚の度数を超えてしまうと高揚の度数に近づいていくと言う良さを失う形になります。

 

 

 

 

 

 

人生の方向性


人の生き方には、4つの方向性があります。インド占星術の12ハウスは、その4つの方向性によって4つに分類されています。4つの方向性とは、ダルマ(倫理・宗教)、アルタ(財産・仕事)、カーマ(感覚的楽しみ)、モクシャ(霊的な修行)です。

① ダルマ  ダルマ・ハウス、1室・5室・9室が対応します。

ブラフマチャリアと呼ばれる、師のもとで禁欲して法則を学ぶ学生期に対応します。

ダルマ・ハウスに惑星や惑星からのアスペクトが集中している人は、高い精神性や宗教性を求めたり、道徳や倫理を重んじる傾向があります。

② アルタ  アルタ・ハウス、2室・6室・10室が対応します。

グリハスタと呼ばれる、家庭にあって世帯主としての義務を果たす時期に対応します。

財産を蓄積することや仕事・社会活動に集中する傾向があります。

③ カーマ  カーマ・ハウス、3室・7室・11室が対応します。

ヴァナプラスタと呼ばれる、世帯主としての義務から解放され森林に隠棲して出家の準備に入る時期に対応します。

感覚的欲望の楽しみなどに集中する傾向があります。

④ モクシャ モクシャ・ハウス、4室・8室・12室が対応します。

サンニヤシと呼ばれ、社会から完全に切り離されて一定の住居を持たず遊行者として生きる時期に対応します。

現世的価値観よりも神秘性や霊性に価値観を大事にする傾向があります。

 

水星期


水星期は、好奇心のままに知識を入れるのが楽しい時期なので、興味の向くままに色んな知識・情報を蓄積するのに良い時期です。水星期は、コミュニケーションも活発になる時期ですが、恋愛は楽しいけど、あまり結婚は考えない傾向になりやすいです。水星は教育を担当する惑星なので、教育の時期である幼年期から青年期に掛けて水星期が来るのは、学んでいくためには理想的なダシャーの流れになります。

ヴィムショタリ・ダシャーでは、重荷を背負って歩む土星期19年の後に、水星期17年間が訪れます。土星期に義務や責任から逃げずにしっかり生きた人は、水星期はやりたいことができて成果も出せる良い時期になります。水星期17年間の後には、自分の内面に向かい、内省的になるケートゥ期が来ますので、その時に自分を見つめ考えるために役立つ情報はできるだけ取り入れておいた方が良いでしょう。

ヨーギニ・ダシャーでは、水星期5年間の後に、重荷を背負って歩まなければならない土星期6年間が訪れます。ですから、ヨーギニ・ダシャーの水星期には、土星期になったときに頑張れる土台作りのためにしっかりと学んでおいた方が良い時期になります。

 

星座と支配星


インド占星術のホロスコープ(チャート)は西洋占星術と違って四角で表示されます。いくつかの表示方法があるのですが、私は南インド式のホロスコープを使っています。南インド式のホロスコープでは、星座の位置が固定されているため、どの四角にどの惑星があるかを見ることで、生まれた時にその惑星がどの星座にあったのかがすぐにわかるようになっています。

牡羊座から時計回りに、牡牛座、双子座、蟹座、獅子座、乙女座、天秤座、蠍座、射手座、山羊座、水瓶座、魚座という風に配置されています。

また、それぞれの星座には、それを支配する惑星というのが決められています。その星座と言う土地を持っている惑星という風に捉えると良いと思います。ある惑星が自分の持っている土地・星座に在住している時は、その惑星は居心地が良い状態になっているし、良い力を発揮しやすくなっていると言うことができます。