昨日、アンマの高弟スワミジの3回目の講話を聞きにいきました。
今年のスワミジの講話のお題は、ヴェーダのエッセンスとも言われる『シュリ―マッド・バーガヴァタム』と言うインドの古代聖典の中に書かれている『24のグル』のお話しの解説で、10月23日、10月29日、11月13日に3回にわたって新宿常圓寺で行われました。
ある王様が、自分は、あらゆる贅沢なものを持っているのに幸せではないと感じていたのに、道で出会った遊行者(アヴァドゥーダ)が、大変幸福そうな様子だったので、何故あなたは、そんなに幸せなんですか?と問いかけたことに対する遊行者の答えを書いたものです。
遊行者は、自然の中にある24個のものが、自分に色々なものを教えてくれたと王様に言いました。
24のグルは、写真に示されたもので、自然にあるそれらのものをグルにして、遊行者は色々な宇宙の真理を学んだと言います。
一つひとつのグルから、色々なことを学んだわけですが、そのそれぞれについて、スワミジは詳しく説明してくださいました。
3回の講話の最後に、24のグルの中で、5つのグルが最も大切だという話がありました。
それは、5つの感覚器官で感じるものを捨てるべきだと教えてくれる5つのグルでした。
人間は、目、耳、鼻、舌、皮膚と言う5つの感覚器官から、色々な感覚をキャッチして、それに執着することで苦しんでいます。
目からの感覚、視覚について教えてくれたのは、蛾です
蛾は、火を見ると何も考えずに飛び込んでいき、そして灰になってしまいます。
それを見て、美しいものに惹きつけられることは死に結びつくことを遊行者は学びました。
耳からの感覚、聴覚について教えてくれたのは、鹿です。
鹿は、音楽がとても好きで、耳と言う感覚器官、聴覚の奴隷です。
猟師はそれを知っていて、鹿の好きな音楽を使って、鹿を惹きつけます。
音楽に惹きつけられて、鹿はその途中に仕掛けられている罠にかかって、猟師に捕えられ肉にされてしまいました。
それを見て遊行者は、美しい言葉に惹きつけられると、騙される可能性があることを学びました。
鼻からの感覚、嗅覚について教えてくれたのは、蜂(Bumblebee)です。
その虫は、蓮の花のにおいを嗅ぎつけて、入り込み、夜になって蓮の花が閉じた時に閉じ込められてしまいます。
それは、バーに行って帰るのを忘れる人と一緒です。
舌からの感覚、味覚について教えてくれたのは、魚です。
魚は、食べ物を見つけるとすぐに飛びついて食べます。
そして食べ物(餌)が仕掛けられていた釣り針に引っ掛かって、釣り上げられてしまいます。
舌をコントロールできずに、配慮なく食べると、病気になるかもしれません。
人生を楽しむためには、健康体が必要ですから、健康のことを考えて食べることが大切です。
皮膚からの感覚、触覚について教えてくれたのは、象です。
象は皮膚感覚の奴隷です。
人は人工の雌の象を作って、その手前に落とし穴を作って、雄の象を捕まえます。
象は、性的な願望のために、落とし穴に気づかずにはまってしまいます。
性的な願望が大きすぎると、良くありません。
愛のために生きるのは良いことですが、性のために生きるのは危険です。
異性を見て罠に嵌まり、その結果悲しみに囚われることになります。
情欲に囚われてはいけないということを、遊行者は、象から学びました。
これらの動物たちは、一つの感覚器官の奴隷ですが、私たち人間は、五つの感覚器官による五感の奴隷です。
常に、神を思うことで、直観力で、色々なことがわかるようになり、五感をコントロールする力がついてきます。
マントラを常に唱えてください。
それが、いつも喜びに溢れているようになるための秘密です。
仏教では、六根、眼耳鼻舌身意(げんにーびーぜつしんい)と言う5つの感覚器官と意、考える脳の働きと言う6つの感覚器官に触れる六境、色声香味触法(しきしょうこうみしょくほう)があると考えます。
例えば、眼に触れる色を感じた時に、そこから生じる思考を止めることができれば良いということになります。
それが、ヴィパッサナー瞑想と言う仏教の観察瞑想において、感覚に気づいて放っておくことをトレーニングしていくことによって、苦しみに到る思考を止めようとする試みに繋がっていきます。
感覚に執着することで苦しみが生じるという共通の認識に対して、どういう形で解放される道を進むのか?
スワミジのお話しは、深く心に沁みいりました。